講評


これは平々凡々な出来。
「のせる」のただひとつの評価基準、「不安定な状況でいかにのせるか」。
これにチャレンジする姿勢が見受けられない。
確かにカップに対し、重しのサイズが大きく
ややナナメになっている不安定感はあるものの
素材のレヴェルから言って、むしろピタリと水平を狙ってほしかった。
 

かなり不安定さが伺える見事な「かさねのせ」であり
高く評価できる。
だが、向こう側から手を添えて支えているようにも見えるため
判定でNGが出てしまった。
 

不安定さが微塵も無く、残念な結果となった。
「フローリング」というたいへん安定的な素材を抽選で引いてしまった者は毎回このようになるが、
ライターの向きで「床が不安定なのではないか」という雰囲気を出せたことは褒めたい。
 

皿、花びらなどの薄い素材の不安定さを用いる手法は一般的だが
紙に紙をのせることによって、風に対する不安定感が際立つ作品。
机・床らしきものが写っており、屋内であると思われ
不安定感が損なわれたのが惜しまれる。
 

なんと不安定なのだろう!分厚いマンガ雑誌にのせられたコアラのマーチ
ページをめくるどころか、雑誌を移動させようと試みるだけでも
コアラはつるりと移動し、ジュンちゃんの顔が見えてしまうだろう。
今大会優勝候補であった。
 


不安定すぎる!というよりも、安定させる意思が無い!
まったく新しい「のせ」である。
プリンを食べようとスプーンを伸ばせば
たっぷりイチゴが転がり落ち、イチゴの容器がめくれてしまうだろう。
こんなにも不安定なのせ方があっただろうか。
今大会の台風の目であった。