総評

「塩を撒く」の歴史は長い。
612年、聖徳太子が、己の子である馬屋古女王を叱責するために
塩を撒いたことが始まりと言われている。
その後、「塩を撒く」という行為そのものが、自己表現の手段として
用いられるようになり、様々な手法が過去の偉人達によって生み出されてきた。
 
よって、「塩を撒く」とは一朝一夕に行えるものではなく
気が遠くなるほどの修行と鍛錬が必要なのだ。
 
結論から言えば、私はこれらの作品を、それほど高く評価していない。
もっとも優秀な作品は「波」で間違いないが…
 
しかし、現代の若者たちが果敢に塩を撒く姿を目の当たりにして
実に頼もしいと感じている。
今回は良いものを見せて頂いた。
作品のレヴェルは決して高いとはいえないが、このような機会に
巡り合わせていただいたことについては、あなた達に感謝したい。

塩招 虎次郎